魔法使いの恋人が逃げた

みんな ねえみんな 出て来ておくれ
あのひと乗ったクルマが 遠くなってくよ
みんな ねえみんな 出て来ておくれ
泣きながらあのひとが 遠くなってくよ
ああ そんなに逃げたきゃ 思う存分逃げるがいいよ
ああ 明るすぎる真昼の薄闇の中
夜はいつでもあたしのものさ
みんな ねえみんな 出て来ておくれ
あのひとの涙から あたしを守ってよ

みんな ねえみんな 出て来ておくれ
今ならばひとりきりさ 祭もできる
みんな ねえみんな 出て来ておくれよ
暗い夜空に身を投げて 踊り明かそうよ
ああ おまえたちだけさ あたしのそばにいつもいるのは
ああ 人たちはそれぞれ別々の舟
時に近より また遠ざかる
みんな ねえみんな 出て来ておくれよ
あのひとのあしたから あたしを守ってよ
あのひとの昼間から あたしを守ってよ
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