VINTAGE

借りたままの 君のライダース
肩幅がほんの少し
大きいからフーディと合わせて
着てるんだ

肘のシワだって 反れた袖だって
君の形のままで
私に馴染む日なんて来ないまま

一生ものだって 話してたのにね
手放しちゃうんだもん
ハンガー越しの 背中はまるで
君の後ろ姿

ずるいよ ずるいよ
ねぇわざと置いていったの
忘れられないように ように…

重くて硬くて 着心地なんてサイテーで
でも捨てられるわけなくて ずっとここにあって
もうそろそろ忘れたいのに
そろそろ忘れたいのに

時が経てば経つほど馴染んでく
VINTAGEになる日を夢見てた
時が経てば経つほど忘れてく
PERCENTAGEは今まだ80

硬いジッパーを 上げられなかった
はずなのに気づけばもう
すんなり上がるし
コツも掴んだみたいだし

ほんの少しずつ 私の形の
シワが増えてゆくんだもん
ハンガー越しの 背中もいつか
君じゃなくなるかな

ずるいよ ずるいよ
ねぇわざと置いていったの
答えも聞けないまま まま…

トントンと指で叩くテーブル
点々で描く独特な絵
全然色褪せない思い出
どんどん美化してるのかもしれない
ならそれはそれでVINTAGE
心の中 価値を増していく
苦しさがいつかなくなったら
世界に一つだけのVINTAGE

ずるいよ ずるいよ
ねぇ大切に着てるよ 今でも
形を崩さないように

重くて硬くて 着心地なんてサイテーで
でも少しずつ馴染んできたんだよ私に
本当は忘れたくないんだ
本当は忘れられないんだ ずっと…
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