下北半島哀愁路

陸奥(むつ)の海風 叫ぶのは
瞽女(ごぜ)の口説(くど)きか じょんからか
別れ言葉も 言い出せず
恋を断ち切る 術(すべ)もなく
ああ おもいきり
すがりつけない わが性(さが)よ
しのび身を引く 下北半島

かすむ燈台 尻屋崎
明日の行方を 照らしてよ
さだめ逆らう 生き方は
古い女に できなくて
ああ 海峡に
花を投げます 冬薔薇(ふゆそうび)
燃えて紅々(あかあか) 哀愁半島

雪の鬣(たてがみ) その姿
岬立つ馬 寒立馬(かんだちめ)
なぜに寒さを 耐えられる
強い命が そこにある
ああ 離れても
胸にあなたが いるかぎり
生きて行きます 下北半島
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