山小舎の灯

黄昏(たそがれ)の灯(ともしび)は ほのかに點(とも)りて
なつかしき山小舎は 麓の小径(みち)よ
想い出の窓に倚(よ)り 君を偲(しの)べば
風は過ぎし日の 歌をばささやくよ

暮れゆくは白馬か 穂高は茜(あかね)よ
樺の木のほの白き 影も薄れゆく
寂しさに君呼べど 吾が声むなしく
遥か谷間より こだまはかえりくる

山小舎の灯は 今宵もともりて
独りきくせせらぎも 静かに更けゆく
憧れは若き日の 夢をのせて
夕べ星のごと み空に群れ飛ぶよ
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