このまま、海まで

いま通り過ぎた交差点を
曲がれば海だと看板が告げる
そんな気配もなく
あたし土地勘もなく
ただ取りこぼした夢のように

車酔いのふりして
窓にもたれている
戻ろうよなんて、子供みたいに
駄々をこねている
あんまりに情けなく
それでも口をつく
涙のように 溢れるように

子供の頃なんてべつに知らないけれど
いま少しイメージが見えるよ

このまま海まで
連れてって

いま通過中の低気圧を
まるで仇みたく恨んでいる
季節外れのあたしたちは
自分で来たのに取り残されたよう

子供の頃なんてべつに知らないけれど
いま少しイメージが見えるよ
口を尖らせて目も合わないけれど
でも少し近づいたような

このまま海まで
連れてって

口からこぼれ落ちそうな憂鬱
古い線路が途切れている
蓋をして押し込めていた I Need You
途切れていく
途切れていく

口からこぼれ落ちそうな憂鬱
古い線路が途切れている
一時のニュータウンの夢のように
途切れていく

途切れていくのに
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