舞台

彼方の水平線から遊火がらんらんと近くなってゆく
意識の境界線から白波がさんさんと砂になってゆく

幕があがったなら満ち潮が割れて一息でのまれるわ
海の真ん中で出会いましょう

あなたとわたし
たったひとつになるのよ
狂おしい愛おしい
きつく抱きあって
あなたとわたし
たったひとりになるのよ
確かに見ていて
深く突き刺すわ

ひそやかな別れの嘘に優しいだけの花言葉を贈りたい

恐れを見せれば人を嗅ぎつけた魔物に食われるだろう
どこまでも心を忘れるの

あなたとわたし
たったひとつになるのよ
狂おしい愛おしい
きつく結ばれて
あなたとわたし
たったひとりになるのよ
確かに感じて
深く突き刺すわ

あなたに命をわたしに名前を
確かに宿して舞台を生きている
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