アゲイン

僕の上着の右ポケットが
役目がなくなったと嘆いていた
ここは君が手を突っ込む専用の場所だったから

温めたまま取り忘れた
“大切にしようと思っていた”が
“思っていた”のままで終わったんだ

もっと長く 末長くそばに居たかったこと
ちゃんと言えば良かったなあ

君を知らない世界で
ふたり互いの記憶を消して
それでもまた恋をして
惹かれあったら運命だと受け入れよう
離れたのも間違いと

気がついた 僕は前から仕方ないと思い込んでいた
だって君から言い始めたことだったから
だから受け入れるのが器だって 男だろって勘違いをした
僕はなんて馬鹿をした

わたしなんて居ない方があなたの為だって言ってたけど
そんなわけがないだろう
つまらなく退屈な日々が続くだけで
それなのに なのに僕らは

互いを想うあまりに
距離を置こうなんて言い始めて
僕はそれを受け入れて優しさを履き違えて
ここまできたけど まだ間に合うなら

君を知らない世界で
ふたり互いの記憶を消して
なんてことせずこのままで
君を知ってる世界と君のままで
僕らのままで

不器用なふたりでも
僕らのままで やり直そう
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