ハクメイ

美しい花ばかり摘む醜い心が嫌になる
壊れぬように大事に抱えては歪んだ
感情も意思も言葉も要らない
何もかも嘘にしたい

白んだ空とパノラマ
このまま全て塗り替えて

滲んだ声とさよなら
叶うなら時を止めて

過去を映すパノラマ
届かないものに今日も焦がれ
止まったままの昨日から手の平に上に落ちて
溶けて消えた

許せないものが増える
どれもが疎ましく思える
積もり積もる
見慣れた景色も変わりゆく

晴れを待つほど凍えてしまう
求めるほどに奪われる

瑠璃に落ちるパノラマ
僕らを描くように染めて

眩んだ明日の向こう側
暖かい春が見えた

乾いた風が窓から溢れて濡れた頬に触れて
暗い闇の夢から目覚めて思い出した

空を覆った雲の隙間から降り注いだ薄明にも似た
触れたら崩れてしまいそうな
それを僕らは神様と呼ぶ

白んだ空とパノラマ
このまま全て塗り替えて

滲んだ声とさよなら
叶うなら時を止めて

もしも明日がくるなら
何もないがらんどうの日でいい

教えてくれよ神様
僕らが生まれた意味を

今が未来だったあの日描いた夢を
叶えられなくても
それでも明日も生きていてほしい

望んで生まれ落ちた者など一人もいないけど
そこに意味を見出す為に今日も生きている
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