伝七流し唄

お江戸名代(なだい)の 黒門町(くろもんちょう)で
苦労承知の 夫婦松(めおとまつ)
恋も 涙も 知ってるからは
粋(いき)ななさけの 伝七さばき
(ソリャ ソウトモ)
腰の十手と 男の胸は
くもりとどめぬ 銀みがき

みんなせつない 人間同志
肩もふれあう 町の角(かど)
死ぬも 生きるも ひとときならば
せめて生かして 伝七さばき
(ソリャ ソウトモ)
姿かえても 心の花は
いつもかわらぬ あの笑顔(えがお)

鐘は上野か 観音さまか
町のあかりは 夢の花
浮くも 沈むも 人情絵巻
泣かす幕切れ 伝七さばき
(ソリャ ソウトモ)
まてば明るい 明日がくるさ
男伝七 今日も行く
×