暮れゆく街のふたり

あなたはあたしにとって
ただの遊び相手の子
夏の懈怠(けだい)が遭わせたふたり

恋ともなく寄り添って
いつも時間(とき)は過ぎてゆく
その肉体(からだ)重ね合わせながら

夜嵐(よあらし)がドアを叩く
トントンと

これきりなんて
冗談だよね?

胸の灯(あか)りを
消さないで

その先は明日カモメに訊くよ
泣いたりするのはまっぴらだ

いつも通りあたしここで待ってるよ
暮れゆく街

あなたはあたしにとって
心を寄せた愛の人
今時もう流行らない手紙

子供の頃に戻って
前髪を丸くして
生まれ変わって遭えたらいいね

立つ鳥は羽音(はおと)も立てず
ホウホウと

真夜中過ぎの
微睡(まどろ)む頃に

闇をすり抜け
飛んでった

さみしくて泣いた訳じゃないからね
湿っぽい話は懲り懲りだ

頼りなく揺れるふたつの影が
ふれあう街

行く先は遠くカモメに訊くよ
泣いたりするのはまっぴらだ

振り向けばそこにキミが立ってるよ
暮れゆく街
ふれあう街
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