Sakura

息をすることも忘れて
大人しく あなたを見ていた
絵空事を語る気はない
それなのに 想いは募るばかりで

何度 諦めようと
何度 突き放そうと
蘇る春よ

桜ひらりと
あなたの髪を撫でていく
そっと振り向く その姿に焦がれては
幾度と巡る 春の木漏れ日に照らされ
散りゆくは 花びらか
こんな心の行く末か
泡沫のあなたか

恋がなにか わからずとも
早くなる 鼓動が答えで
熱を帯びて 染まる耳は
あなたへの想い そのものみたいだ

たった 一つの言葉が
ずっと 喉を通らずに
枯れていく春よ

寝ても覚めても
あなたのことを 憶えてる
いっそこのまま 夢の中で生きれたら
果てない願いが
枕濡らした夜もまた
人知れず 明けていく
こんな心さえも連れて
届かない明日へ

願わくば どうにか
時間を戻して
さよならが迎えに来る前に
今もまだ あの日のまま
色褪せることのない感情が
あなたを 探すよ

桜ひらりと
わたしの髪を撫でていく
そっと振り向く あなたがいた思い出も
幾度と巡る 春の木漏れ日に照らされ
散りゆくは 花びらか
こんな心の行く末か
泡沫のあなたか

舞い散れど 叶わずとも
春の報せはいつの日も
あなたがひらひらと
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