花筏

川の流れに 背(そむ)くよに
冷たい世間の むかい風
耐えてしのんで 芽を吹いて
やがて見惚(ほ)れる 花になる
おんな一生 花筏(はないかだ)

心荒(すさ)んで 呑んだ夜
さくらの花びら 浮かぶ酒
人に云えない 傷あとも
じっと堪(こら)えて 待てばいい
さくら舞い散る 花筏(はないかだ)

越えた山坂 幾たびか
なんで今さら 思い出す
雨や嵐は 乗り越えて
受けたご恩を 忘れずに
おんな一生 花筏(はないかだ)
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