Luna

“月の裏で揺れてる
海の色は誰も知らない”
背表紙に刻まれた
筋書き通りに 此処を離れて

あなたの手を引く 深い夜の涯へ
わたしもう 迷わないから
壊れるくらいに すべてを委ねてよ
瞬く星の影で

過ちを濯ぐような光の雨 頬を濡らす
おそろいの傷跡を なぞって笑った
あなたを赦すよ そっと

あなたを連れていく 滲む夜の涯へ
この手は 離さないから
月の裏側でこぼれた涙なら
誰にもみえないから

誰にもみえないから___。
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