360°

はぐれていた 光の当たらない場所で
本当の悲しみを はじめて知った
この重さが 塊になって襲って
薄い膜を 突き破ってゆく

迷うことなどないと 鎖を絶ちきった
迷うことなどないと 今でも肯定したくて泣いた

いつも

すべての眼を開いて見ていたの
すべての世界を受け入れようとして
すべての耳をかたむけていたの
すべてのメロディーを聴きたいと
願って、ひとりで。
居たのに となりに 居たのに
気づかないまま―

くり返して何度も言えばよかった
「どうして?」って言いかけたのをただ見てた
8月があんまり暑かったから
ニュアンスを間違えたかもしれない

私のリズムは不安定に揺れつづけ、
「この世の事など、何にも知らなくてもいいよ…」

だって

こんなダサくてくだらない世界で
どんな自由も使いこなせないのに
私の事もっとちゃんと見ててよ
なんだかもう どうしようもないけど
望んで、ひとりでいるから。
近くに来ないで
耳をすまして―

私のリズムは出来るだけ跳ねつづけ、
「この世の事など、何にも知らなくてもいいよ…」

それでも

すべての眼を開いて見ているの
すべての世界を受け入れようとして
すべての耳をかたむけているの
すべてのメロディーを信じたくて
歌っていられれば いいのに。
それだけでいいのに。はぐれてゆくまま…
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