ツキノフネ

夕焼け染まる君の背を
ただ追うように歩く
このままどこか遠くの街まで
行けたらいいのに

俯くことも慣れてきた(慣れてきた)でも
歩くだけでもう痛いから(痛いから)

手を伸ばしてしまうよ
触れられないとしても
あの三日月は美しいから
勇敢な僕らの声は
きっと届いていくんだ
俯いていたあの日の自分へ
走り出せ今

青空浮かぶ五線譜に
ただひとつ鳴る音
目指したどこか遠くの街まで
響けばいいのに

手を伸ばしてしまうよ
触れられないとしても
あの三日月は美しいから
不完全だっていいんだ
きっと届いていくから
俯いていたあの日の自分へ
歩き出せ今

行き場をなくした紙飛行機が
川沿いに残されていたこと
僕だけはずっと
忘れないでいたいよ
この夢が覚めるまで

手を伸ばしてしまった
触れられないとしても
あの三日月は美しいから
不明瞭だっていいんだ
きっと届いていくから
俯いていたあの日の自分が
走り出せるように
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