桜の頃

夜桜見物の人波まぎれても
華やぐ賑わいは 淋しさ連れてくる

博多から東京へ 出て来たあの春も
川面を埋(うず)める薄紅の影
眺めて泣いていた
ひとりぼっちの街角

優しい人たちを 目を閉じ想い出す
サッカーコートにも 静かな 花吹雪

遠くから見るだけの 愛した人もいた
音楽室からそっと手を振る
こころに気づかずに
通り過ぎてく あなたが

遠くから見るだけの 愛した人がいた
音楽室からそっと手を振る
こころに気づかずに
過ぎた桜の頃です
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