淡雪

淡雪溶けたんだ
今 冬を攫って
降り積もった日々諸共
呆気なく消えた

仰いだ白い空
ただ 風が変わった
行き場もない 空を切った
僕の右手が泣いてる

騙してきた願望が
もうどうにもならないし
泣いたまま落ちぶれてって
愛と哀の境界線混じって
ねぇまた季節が巡ったの?
あのまま時間が止まれば良かった

夜桜が舞って
ハラリ落ちてって
この手から溢れた砂の様に

淡雪溶けたんだ
今サヨナラ告げて
刹那の恋らくだけを
ぽつりと残して

紡いだ愛言葉
上空事になって
行き場のない 虚しさだけが
僕の心に巣喰ってる

有り触れてた日常は
どうしたって戻らないし
思い出なんて抱きしめたって
愛の酔いも酸いに飲まれちゃって
ねぇもうこの夜に沈んで
この侭 忘れられたなら良かった

夜桜が舞って
ハラリ落ちてって
この手から溢れた砂の様に

淡い恋 煌めいた
まだ 花が咲って
枯れた筈のこの手にそっと
蕾が綻んでた

脆い期待 溢れた息
ただ 宙を泳いで
頬を撫でる涙がずっと
僕の心昏らす

淡雪溶けたんだ
今 冬を攫って
降り積もった日々諸共
呆気なく消えた

仰いだ白い空
ただ 風が変わった
行き場もない 空を切った
僕の右手が泣いてる

淡雪溶けたんだ
×