それだけのこと

黄昏の残り火が
あなたの影を焼く そっと
背中では嘘をつけなくて
幻に逃げる

わたしではなくても
幸せになれると
気がついていた

綺麗な造花より
枯れる花欲しがる
馬鹿もしてしまう

半分諦めれば
生きるのなんか容易い
愛は思い上がり
だってほんとのこと

握る気もないくせに
優しく手にふれた そっと
まちがいは二人の孤独を
埋めるだけなのに

あふれてくるものは
こぼれればいいのよ
心の外へ

過去にしかならない
気休めはいらない
罪は被らない

答えが正しくても
自分を捨てるのは嫌
覚める間際の夢
どうせ忘れてく

声をあげ泣くことも
しなくなるでしょう きっと
足音も立てないで部屋を
出て行くわ すぐに

新しいシャツはもう
戸棚の隅にある きっと
その香り いままでと違う
それだけのこと
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