この海は話しかける まるで女のように
白い波が押し寄せると抱き合う事さえ出来る

水平線に別れた人の
顔がカモメのように集る

死にたいとさけぶと海は言うだろう
生きていてほしいと
殺したいほどに憎らしいときは
ぶつけなさい私に

夜明け前に飛び込んで泳ぎつづけて待てば
やがて世界が音をたてて希望の色で染まる

私のからだ波に運ばれ
赤子のように生まれかわるよ

死にたいとさけぶと海は言うだろう
生きていてほしいと
殺したいほどに憎らしいときは
ぶつけなさい私に

あーあー死にたいとさけぶと海は言うだろう
いっしょに泣こうね
殺したいほどに憎らしいときは
忘れるようにと

あーあー死にたいとさけぶと海は言うだろう
明日があるよと
殺したいほどに憎らしいときは
この胸でおやすみなさい
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