逃避行

窓を開けて
潮風が頬を撫でる
黄昏色の空は
波間に浮かんで

街を忘れて
目的地も無いままで
心が記していく
風と流れていく

「どうした?」って言われたって
見えない
見ない
居ない
言えない
戯ける
帷が下りたって
光が無くたって
闇だって心配ない
君も心配ない
僕はこのまま
寝れればいいから

朝焼けが
僕らを包んでいく
電気も付けたままで
誰かも忘れて

鞄なんて
持たなくてもいいから
青色に染まっていく
今が心地いいさ

窓を開けて
潮風が頬を撫でる
黄昏色の空は
波間に浮かんで

街を忘れて
目的地も無いままで
心が記していく
風と流れていく
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