恋の名残り

どこへゆくのか あの山鳩は
ひとり旅では 淋しかろに
夕陽が沈む くれないに くれないに
燃える男の 涙を染めて

山の彼方に まだ消え残る
恋の名残りの 夕焼け雲よ
忘れた筈の おもかげが おもかげが
悩みつかれた こゝろに浮かぶ

可愛い女の 眉毛のような
月が出てくる から松林
夢を沈めた みづうみの みづうみの
水は冷めたい 旅路は長い
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