君が望む永遠

どこにでもあるかどうか分からないが
つまらん話で
海の見える夕陽の町に
短いあいだ暮らしてた頃
潮風に錆びたたばこの看板が風に揺れるように
ぎこちなく寄り添うふたり
ひやかす汗と陽射し

夕方五時の自転車、君をのせて
海までの坂を転がる
ふらつくふたりを
車がうざったそうに追い抜いていく
怖がる君を宥めながら
右手のブレーキを緩めて笑う
終わらない夏の西陽が
風にのせて君を連れ去る

他にも思い出はあるが
それはふたりだけの秘密
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