1888

時は古く英国の話 擦れた手紙に隠されている
赤い林檎の裏に在る 錆びたナイフと共に影

19世紀の遠い世界に 奇才な黒い星をそっと現れ
人が溢れる大通り 見過ごした陽が消える街角教会前
巡る傷…計算された数 満たし時計の針の音みたいに一定
残る痕…アナクロ思考に 迷い赤いレンズ越し眼に映るロンドン塔
白く濁す煙 ワイン越しの声

街は夜の顔を見せる 息を止めたダブルデッカー
ふと、踏込む裏通り オーケストラが鈍く響く
壁に残る白いチョーク 奥の静寂は狂う

巡る傷…計算された数 満たし時計の針の音みたいに一定
残る痕…アナクロ思考に迷い赤いレンズ越し眼に映る塔
廻る世に…黒い星刻む明かされないページ罪さえ記せず
通る風…まるで肌を切る 幕を閉じる【M】の赤いハンカチーフ
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