あなたの気配

ひとりぼっちはつらくはないのに
日の暮れる頃になると泣けてきたりして
疲れすぎたのだと思ってみたりして
ひとりでお茶を飲んでみる
窓から夕陽がさしこんで
あなたの匂いに気がつくのです

あなたがいなくても時は過ぎてゆき
季節はめぐり二度目の夏が来た
お陽さまは輝き空は晴れて
美しい季節になりました
白い砂浜に寝ころんで
あなたの気配に気がつくのです

雨にぬれながら街を歩き
なじみの酒場の前に立つ
古い日記なんか開かなくても
ドアをあければすぐそこに
いく年か前と同じように
あなたの声が聞こえるのです

気がつかないうちに時は過ぎてゆき
もうありえない友達もいく人かいる
とりもどすことも忘れていた
あなたがいなくてもいいはずなのに
あなたの匂いが欲しいのです
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