夕暮れと嘘

彼女が あなたの髪をなでる
あたしは急いで 空に目を遣る
いけないこと だと知りながら
あなたばかりを 逐ってる

無邪気に はしゃいで過ごすほど
ひとりになる夜が 怖い
押し殺した 胸の内側に
あなたが また 微笑いにくる

見破らないでいて
気付かないでいて
あふれそうなあたしを
見抜いてしまっても
最後まで 知らんぷりしてね

弱いから また 強がるのよ
はじめから無力な 恋
ゆっくりと 賑やかな街をぬって
あたしは あたしに 帰ってゆく

吹き抜けてゆく 風に思う
大切なものに また きっと出逢う
大丈夫、大丈夫なのに 今は
あなたが眩しくて 泣きそうなの

見破らないでいて
気付かないでいて
ずっと見送る あたし
並んだ 長い影
最後まで 振りかえらないでね

見破らないでいて
気付かないでいて
あふれそうなあたしを
あなたが見抜いても
最後まで 知らんぷりしてね
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