逢えなくていいから

あなたにもらった手袋で
花壇の雪を払います
寄り添うだけで それだけで
小春日和の 冬の庭
何年たっても淋しさは
私の肩に積もります
あゝ聴こえなくていいから 歌って
視えなくていいから 微笑(わら)って
触れなくていいから 抱きしめて
逢えなくていいから ここにいて

苦労をしたってそばにいて
けんかしながら暮らせたら
人の世界の 幸せだって
ため息ついてた 冬の午後
溶けてゆくけど思い出は
けして枯れない雪の華
あゝ聴こえなくていいから 歌って
視えなくていいから 微笑(わら)って
触れなくていいから 抱きしめて
逢えなくていいから 行かないで

あゝ聴こえなくていいから 歌って
視えなくていいから 微笑(わら)って
逢えなくていいから ここにいて
逢えなくていいから 行かないで
×