小羊と月明り

ビルの屋上 日暮れ前
流れる雲を眺めてた
物音は全て遠くにあり
子供等の声が聴こえる
「結論はまだ出ない」

人々の影が消える頃
私が言葉を捨てる頃
顔の無い人が駅前で
誰かの顔を拾う
「結論は先送り」

暗い道程 楽しげに
本当は楽しくも無いくせに
無理に作った笑顔には
泣きたいような淋しさがある

大都会の真夜中に月明り

空から星が落ちて来て
私はそれを受け止めて
暫く眺めていたけれど
結局、道端に捨てた
「結論はまだ早い」

沈黙が明日を塗り潰し
溜息が顔を剥ぎ取って
ポロリと落ちた駅前で
誰かがそれを拾う
「結論は何処にある?

暗い道程 憂鬱げに
本当はそうでもないくせに
無理に作った理屈には
狂ったみたいな虚しさがある

大都会の真夜中の月明り

未明の空気を引き裂いて
一番列車が今日も又、
新しい朝を告げて行く
私はそれを見てる

「結論は求めない!
結論は求めない!
結論は求めない!」

大都会の月明り サヨナラさ
大都会の月明り サヨナラさ」
×