オブジェ

ひらりひらりと泳いでいく 魚の群れ一人眺めてた
さよならを告げるホタルが 優しく歌い始めるまで

夕暮れに浮かぶ水族館 門の前の恋人のオブジェ
「まるで私達みたいだね」 そういって笑い合ったっけ

あなたがいて 強くなれたよ
あなたがいて 深く刻んだよ
あなたがいて 優しい時間よ
たまにこうして 思い出すけれど

はらりはらりとこぼれてく 清き美しきうれし涙
人の為に流したのは あなたが最初の一粒よ

忘れようなんて思わない そうすればする程濃くなるの
それならいっそ忘れずに 記憶に焼き付けるつもりよ

あなたがいて 前を向けたよ
あなたがいて 形を知ったよ
あなたがいて つかめないままで
これはあたしの 本気の恋だったの

水槽の中静かに泳ぐ
二人の魚は海域(うみ)を知って
新しい波を選んだ あなたが好き

名前呼んで 振り返る影に
かける言葉 探してるうちに
遠くなって それでもいいから
あなたがいて あなたがいたから
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