半夏生のころ

七夕かざりの 短冊に
なんとあの子は 書いたのでしよう
暑い日射しに きらきらと
気になる文字が ゆれている
半夏生のころ
一目あなたに 逢いたくて
埃の道を 来たけれど
日傘にかくれて 泣くだけの
熊ぜみしぐれの 幼稚園

窓から私を 見つけたら
憎い目をして 背を向けますか
そうね大人の 都合など
あなたに関係 ないものね
半夏生のころ
胸を裂くよに 裂かれたが
あなたを捨てた わけじゃない
忘れたことなど ないのよと
ひとことそっと 詫びたくて

半夏生のころ
一目あなたを 抱きたくて
埃の道を 来たけれど
日傘にかくれて 泣くだけの
母には遠い 幼稚園
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