スロウ・サマー

夜も香りたつウェットな風に誘われ
宵凪 濡れたアスファルトとぼとぼと
千鳥鳴くようにささやかな乾杯を
悲喜交々開け放ってる

くたびれた背広姿 笑っちゃうわ 前後不覚で
少し歩こうよ メロウな月明かりの下で

込み上がるほど泣き笑い混じる夜
何者になれずともスロウな街は廻る
言葉もないほど優しい夜じゃないか
影踏みしながら行こう
くだらなくも美しい今を

ビロードみたいに光る街を尻目に
こんがりやけた月が笑いかける
ジメついた肌にまとわりつく風
夏の終わりを予感させてる

描いたような未来に近づいてんのかな?
無邪気なままで疲れ果てた僕ら 今夜月明かりの下で

答えはないけど救われたこんな夜
何度も何度もまた繰り返し日は登る
途方もないけど優しい夜じゃないか
足踏みしながら行こう
大人になれないまま

込み上がるほど泣き笑い混じる夜
何者になれずともスロウな街は廻る
言葉もないほど優しい夜じゃないか
影踏みしながら行こう
くだらなくも美しい今を
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