夏華日

空に ただ浮かびゆく 夏華日に
君を重ねてただ泣いた 僕は蜃気楼

声にならない声が 喉に詰まる
流れる時間の波に どこかに君を探した

燃えて 残る 灰に紛れたって消せない
慰めにもならないような ひとり歩きだけだから

空に ただ浮かびゆく 夏華日に
君を重ねてただ泣いた 僕は蜃気楼
あの日灯した一瞬の 永遠が
色褪せてしまった心の奥に 焼きついている
残酷なほど 鮮やかなまま

空に ただ浮かびゆく 夏華日に
君を重ねてただ泣いた 僕は蜃気楼
あの日灯した一瞬の 永遠は
ぼやけてしまった日々に隠れて 息づいていた

瞼の裏で 君が笑う
滲んでいるのに消えない
今もここにある 茹だるような愛だけを
抱きしめても 意味がないのに

空に ただ浮かびゆく 夏華日は
君をそばに 連れてくるけど もう同じ風は吹かない
いくつ数えたって変わらない 季節だけが
瘡蓋になってしまった心を 剥がしてしまう
残酷なほど 綺麗なままで
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