アンモナイト

君は煙になって
初夏の空高く登った
開かれた傷口
偉大なるかなしみ
どうかそのままでいて
消えずに残って居て

閉じ込めた土の中
化石になって
渦巻いたからの中
響く記憶
掘り起こして

命の起源ひも解くように
愛していたよアンモナイト
ちぎれたまま浮かんでいよう
後悔もトラウマも思い出も愛情も全部

君はめぐり巡って
やわらかな子犬になった
あどけないぬくもり
懐かしいまなざし
どうかそのままでいて
もう一度側にいて

抱きしめた腕の中ひとつになって
まどろんだ夢の中

まだらな世界ゆるがすように
愛していたよアンモナイト
あふれるまま叫んでいよう
幼さも空想も約束もさよならも全部
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