ありふれた夜に

結んだ手を風が撫でる 静かな世界の端っこで
「どこへでも行ける」君が呟いた その願いが叶うように

暗がりの中 揺れる髪
思い出したのは 拙い出逢いだ
硝子玉みたいな夢を 君がくれたんだ
空っぽな僕に

空が遠く離れて 不安が隠す心に気づいた
逆らえない 運命の向こうで 辿り着いた場所

ありふれた夜の月の下で 全てが照らされる風景に
取り残された僕の影を 君が初めて見つけたんだ

何気ない星に泣いたことも 間違えた過去も抱きしめたなら
巡る季節を歩んでゆこう 君のすぐそばで

迷子みたいに 振れる針
僕らの行く先 告げない夜には
がらくたにまみれた夢で 浮かべた思い寝
恋を結ぶように

あの日、君が焦がれた 不安を融かす未来を信じた
「怖くないよ」 強がりな足で 生まれ変わる世界へ

僕らが紡ぐ物語に いくつの終わりがあるだろうか
それでも君が選び取った この道だから 大切な答えになる
いつまでも

夜が溶けて風が吹いた 世界が目を覚ます前に
「どこまでも行こう」 僕ら呟いた そっと笑って

ありふれた夜の月の下で 全てが明かされる風景に
取り残された僕の嘘も 君が受け止めてくれたから

何気ない今日も愛していこう 僕らの明日を繋ぐように
巡る奇跡で溢れている 君のすぐそばで

巡る季節を歩んでゆこう 君のすぐそばで
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