滲む、きらめく

口の形を真似てみせた
人混みの中のあなたに
季節外れの雨
当てにならない予報士の朝の声

傘を叩く雨の音に
しばらく耳を傾けていた
途切れた話し声、我に返って
頷くことしかできず

ここは思い描いてた場所じゃない
少しずつ飲み込まれてくのが分かる

遠くの空の下 君はもう
滲む わずかにきらめいた

心は今ここに無いのに
あなたを強く抱きしめてた
灰色の曇り空
まるで排気ガスとため息みたいだ

見えない糸がぐるぐる絡まって
断ち切っていつか飛び出せるはずの

遠くの街の中 君はどこ
滲む わずかにきらめいた
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