解体

陽射しが斜めになって
僕の頬を染め上げていく
この目で 見えたものに、
その手で 赦したもの。

君の声響き渡った
すれ違う影が踊る
その目に 浮かぶものに、
この手で 穢したもの。

木漏れ日を飲み込んで
ため息ひとつ吐き出した
溢れ出すその衝動が
咽を焦がしていく

また繰り返す声が
張り付いて離れなくて。
「夜を去って私は、鳥になって歌うの。」
まだ満ち足りぬ僕の
思い出した感傷が夜を押し潰すみたいに燻っている。

与えて ぼくらは狂った街に灯す光
重なれ 閉ざしても
かみさまがあなたを拒んでも
もどれなくなっても、
この手を離さないで。

求め合って触れるその最期
声に出してバラバラのあの日のまま
涙なんて枯れるくらい遠く、
戻れなくても

僕らいつか長い日々を越えて
春を待って 失うこの季節を。
だから大人達の声が届く前に
もう 終わらせてよ 君の手で
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