静降想

はらり はらり
空(くう)を切った
所在のない 言の葉は今
君に抱(いだ)かれ 君に運ばれて
やさしさの傍らにいるんだ

せわしなく過ぎていた
日々に ちりばめられてたもの
少し わかりはじめた

(しんしんと 降り積もってく
しんしんと 染まる)

ああ 僕には あり余るほど
その手いっぱいのあたたかさで
ああ いつしか 数えきれないくらい
想いのかたちが積もってた
(積もってた)
溶けないで 消えていかないで
(溶けないで 消えないで ああ)
このまま終わらないで 見つめたい
二度とない今日の僕らを

わかりあえる はずはないと
期待さえも できない僕が
君と交わした言葉ひとつでさ
もう一歩 欲張りになる

どこにも残らなくて
君と僕が記憶するだけ
そんな ほんとうがあった

(しんしんと 降り積もってく
しんしんと 染まる)

ああ 僕らは あられもないほど
止めようのない 衝動の中で
ああ 今には とどめておけないほど
想いのかたちが積もってた
(積もってた)
溶けないで 消えていかないで
(溶けないで 消えないで ああ)
このまま終わらないで 見つめたい
戻らない今日の僕らを

今日の僕らを

(しんしんと 積もってく)

束の間に落ち合って
交じり合う かけらが
震えて 肩を寄せる
(静けさのなか)

ああ ここには あられもないほど
隔てのない 君と僕がいて
もう言葉を 追い越していくほど
想いのかたちが積もってた
(積もってた)
溶けないで 消えていかないで
(溶けないで 消えないで ああ)
このまま終わらないで 見つめたい
惜しみない今日の僕らを

(しんしんと 降り積もってく)

(しんしんと 降り積もってく)

積もってた
(積もってた)
溶けないで 消えないで ああ
(溶けないで 消えないで ああ)
ねえ 忘れないで
今日ここにいた僕らを
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