悲恋

夜明けに小雨が 残る頃
港で汽笛が むせぶ頃
どこへ行くのか 顔かくし
小さい荷物の 二人づれ
恋とよぶには 悲し過ぎ
声をかけるもつらくなる つらくなる

行く人来る人 空港の
ロビーで二時間 待つ女
吸ったたばこが 目にしみて
まだ来ぬ男に 涙ぐむ
恋とよぶには 悲し過ぎ
うしろ姿を見るばかり 見るばかり

地の果て行きの 汽車に乗り
窓から想い出 捨てる人
短い手紙 二人して
何度も何度も 書き直す
恋とよぶには 悲し過ぎ
汽車にまかせて ゆれるだけ ゆれるだけ
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