女の旅路

貴男一人を 死なせはしない
何もとりえの ない私
せめて死ぬときゃ 貴男といっしょ
そっとつぶやく 南の空で
今日は九州 博多の町よ

たずねたずねて 町から町へ
探し疲れて 屋台酒
飲めば飲むほど 逢いたくなって
そっと貴男の 名前を呼んだ
今日は播州 姫路の町よ

遠い昔と あきらめはしない
小さな部屋の 片すみで
姫鏡台に 口紅で
きっと二人は 逢えると書いた
今日は北の果て 釧路の町よ
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