帰りの連絡船

海峡に降る雪を ひとり見つめてる
幸福なひとつれて 帰るはずでした
こんな小さな鞄がひとつ
なみだのぶんだけ手に重い
ああ さよなら恋よ 連絡船よ

呼ぶ母を振り切った あれは二年前
紫のライラック 町にゆれていた
ばかな私を 迎えるように
デッキにとまった 海猫よ
ああ さよなら恋よ 連絡船よ

夢を抱き恋を抱き 北へ東京へ
どれだけの人達が 海峡を越えたやら
ゆれて四時間 吹雪がやめば
私の明日も 見えてくる
ああ さよなら恋よ 連絡船よ
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