傘クラゲ

蓮の葉 開いて
泥んこの校舎裏
梅雨空に並んだ
二つの傘のクラゲ

見るものすべてが苦しいくらい
鮮やか深海
そこは夏になる前触れ
水圧で深く濃いブルー

ビニール傘のその真下では
永遠さえも近くに見えた
君の右手と僕の左手
触れ合った時魔法にかかる

蓮の葉 弾いた
雨粒は太鼓の音
心臓に響いて
君から目が離せない

そこは夏になる前触れ
水圧で深く濃いブルー

ビニール傘のその真下では
永遠さえも近くに見えた
君の右手と僕の左手
触れ合った時魔法にかかる

六月の雨 薄紅の花
深海に沸く静かなマグマ
君の右手と僕の左手
触れ合った時に魔法にかかる
かかった
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