一二三(ひふみ)小唄

柳がくれの 大川に
紅い灯りが 一、二、三
水にこぼれて ゆらゆらと
ちょいと気になる 舟の中
くわえ煙管の チョイト 船頭さん
見張りはしっかり エー たのんだよ

三味線は二上り 三下り
粋な音〆が 一、二、三
唄にさそわれ 河岸づたい
窓に影絵の 恋千鳥
野暮はおよしよ チョイト おにいさん
なりゆきまかせで エー いいじゃないか

なさけ頬杖 酒しずく
もらすため息 一、二、三
もののはずみと 言うけれど
胸に飛び火の 川開き
なぜに逢わせた チョイト お月さん
こうなりゃ後へは エー 引くもんか
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