城ヶ崎ブルース

ゆかねばならぬ 男がひとり
ゆかせたくない 女がひとり
ふたりの恋の 城ヶ崎
咲けよ 匂えよ 湯の花すみれ
あしたのことは 言わないで

いのちのかぎり 愛せたならば
たったひと夜の 夢でもよいと
わたしを泣かす 城ヶ崎
霧よかくせよ あのシャボテンの
とげよりいたい わかれ風

愛してくれた 小指の爪を
そっとかたみに つつんでいれた
ハンカチ白い 城ヶ崎
あなたが帰る 遠笠山(とうがさやま)が
涙にかすむ 夜のはて
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