野火

華奢な拳で
嬲りいたぶり

柔な付け根は
至れり尽せり

牙を剥いたら
カラカラでも速攻

馬鹿な魚は
糸に釣られて

巡り廻り転がり行く
どうせくり返していく
巡り廻り転がり行く
どうせくり返して

己を断つことも
できないんだから
勃たせることも
できないまま
断つこともできないんだから
勃たせるなんて至難の技

荒野に放つ
血煙りブルーバード

待ちきれない
なま木が燻る

小指で疼く
赤い悪い糸

馬鹿な私は
それに因んで

委ね悶え突かれて飛ぶ
見惚れている間に
委ね悶え突かれて飛ぶ
見惚れている愛だ

誓いは破るために
在るとして
立てることも
できないまま
破るためにあるとして
立てることも叶わぬ空
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