アケボノ

今いる場所は折れ線グラフの 一番下のところ
今見てる町は今までで 最低の静止画像
「だから夜は明ける だから道は出来る」
ちいさくつぶやいた声 窓の外バイクが消してった

せまいせまい部屋のかたすみ 手も足も考えも出なくなった
表に出たら 他人の笑顔がまるで映画みたいだった
電車に乗って考える 誰かに置きかえてみる
ぐるぐるまた同じとこで つかのま眠りに落ちたんだ

夜には朝が 雨には花が 闇の先には 春のアケボノ

言葉はいつもこんなに不自由で 思いはもっともっと不自由で
何も言えずその腕に ただぎゅっとしがみついた
街灯が照らし出す わたしを見損なわない笑顔
あなたの手はこんなにも あったかい あったかい あったかいよ

そうこの長い長い長い雨は いつかきっと止むだろう
どんなに長い長いかなしみも いつかきっと消えるだろう
だけどただひとつ わたしたちは知ったんだ
望み続ける限りこの日々は 決して決して終わらないってこと

夜には朝が 雨には花が 闇の先には 春のアケボノ

欲しがって 欲しがって
手を伸ばして 抗って
うしなって うずくまって
とりもどして また歩いて

時が経って  丘に立って
ふりかえって 目をみはって
あの空に あの空に
届くなら 届くなら

夜には朝が 雨には花が 闇の先には 春のアケボノ
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