苗字

新しい仕事場で
また今日も出会ってしまった
あなたと同じ苗字のひと

どこにでもありそうで
平凡な名前だったから
それでもやっぱり
苦笑いで

そんなたわいもないことだけど
今でも特別に響く
身近すぎた何もかもが

なんでもない電話が
飲みあきたカフェ・オレが
そんなありきたりが
きっと宝物だった
あなたの持ってたすべてを
ふたりで歩いた景色を
まるで あきらめられてない

新しい恋人に
初めて名前で呼ばれたとき
不意にあなたが心よぎったの

二人が別れた
最後のあの夜でさえ
お互い苗字で呼び会ってた

そんなたわいもないことだけど
あなたは誰とも違うの
昨日までも明日からも

なんでもない電話を
飲みあきたカフェ・オレを
どれだけ時がたてば
想い出に出来るの
あなたを待ってたこの駅に
落ち葉が積もるころには
別の苗字になっているのに

なんでもない電話が
飲みあきたカフェ・オレが
そんなありきたりが
きっと宝物だった
あなたの持ってたすべてを
ふたりで歩いた景色を
まるで あきらめられてない
×