想い出 花ふぶき

母を想い 見上げた空に
今を盛りと 咲かせたいのち
生きてみたい 桜のように
あなたは いつも そう言った
三分咲き桜 幼い日
七分咲き桜 ひとり立ち
満開の桜 親になる
儚(はかな)くも燃え尽きた その命

ひらひらひら 花びら散(ち)る夜(よる)は
夢でもいいあなたに 会いたくて
想い出あふれて 花ふぶき

女ひとり 涙をこらえ
生きて来たのね 幼子(おさなご)抱いて
父を語る あの日の母と
私も今は 同(おな)い年(どし)
三分咲き桜 めぐり逢い
七分咲き桜 結ばれて
満開の桜 母になる
あなたから受け継(つ)いだ 我子(こ)の命
ひらひらひら 漂(ただよ)う風の中
生まれてきた切(せつ)なさ 愛(いと)しさを
心に刻んで 花ふぶき

ひらひらひら 花びら散(ち)る夜(よる)は
夢でもいいあなたに 会いたくて
想い出あふれて 花ふぶき
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