嬉し涙

砂に描いた文字 なぞる指先
八月の風に 消されぬように

あなたの肩に凭(もた)れながら 交わした約束
50年先もこのままでいよう ふたつの心を重ね合わせ

わたしにはあなたという こゝろの支えがある
あなたにはわたしという 消えない灯りがある
ずっと 寄り添う花でありたい

澄ます耳元に 木霊(こだま)する夏
大切なものは あの頃のまま

些細なことですれ違って 寄り道したけど
帰りたい場所はあなただけだった 今 通い慣れた坂を下る

悲しみを抱いてくれる あなたがそばにいるから
喜びを分かち合える わたしがそばにいるから
ずっと 褪(あ)せない彩でありたい

誰も明日なんて わかりはしないけど
見つめ合う 今日があることで信じていられる

わたしにはあなたという こゝろの支えがある
あなたにはわたしという 消えない灯りがある
ずっと 寄り添う花でありたい
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