SINGLES BAR

だれかあなたを待たせてる人がおありですか
さっきから見るともなく見ている私を悪く思わないで下さい
そこから何が見えますかタバコの煙越し 窓の彼方
マスターはあい変わらず何も話さない 自分のことも何も話さない
夜の入口はさみしくて 眠りにつくまでさみしくて
人の気配のする暗がりに身を寄せたくなります

だれか拾いに来たわけじゃない
いまさらもういいんです
日々をひたすら生きてゆくだけだから
嘘のような時間がほしかったんです
出会うことも別れることも
いまさらもういいんです
ただ だれか同じような人が他にもいると思いたいんです
夜の入口はさみしくて 眠りにつくまでさみしくて
人の気配のする暗がりに身を寄せたくなります

古いレコードをかけるなら思い出よりももっと古いやつがいい
無邪気に「こんな曲知らない」と笑う私になれるから
SINGLES BARのさみしさは 帰りどきを自分で決めること
「もう帰ろうか」って言われて席を立つ残念さもくすぐったさもないこと
夜の入口はさみしくて 眠りにつくまでさみしくて
人の気配のする暗がりに身を寄せたくなります

夜の入口はさみしくて 眠りにつくまでさみしくて
人の気配のする暗がりに身を寄せたくなります
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