武蔵野

俺は空気だけで感じるのさ
東京はかつて木々と川の地平線
恋する人には 輝くビルも
傷ついた男の 背中に見えるよ

武蔵野の坂の上 歩いた二人
そう 遠い幻 遠い幻

悲しい気分じゃないけれど
ニヒルなふりして笑う男の
電車にガタゴトゆられてたら
まるで夢のように蘇る

武蔵野の川の向こう乾いた土
そう 幻 そんなこたねえか

俺だけ 俺だけ 知ってる

汚れきった魂やら 怠け者の ぶざまな息も
あなたの優しいうたも 全部 幻 そんなこたねえか...

俺はただ頭の中 イメージの中笑うだけ
俺はただ 笑うだけさ

武蔵野の川の向こう 乾いた土
俺達は 確かに生きている
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