ヴィオロンの響き

街はいつか 雪化粧の中に
ボンヤリ外路燈 ともしびはじめた
一つのコートに私の肩を抱き
ふるえているねと それは寒さのせいじやない

お願いもっと歩きたいの
いずれは消える 雪の中に
振りむかないで貴方 二人の足跡を
せめて残して

つらすぎるわ この胸の痛みが
生きてる証しと 人は言うけど
どうぞ やめて ヴィオロンの響きよ
今の私には あまりに せつなく聴こえるから

昼もなお暗い季節には
春のいぶきさえ 聞こえない
足どりの重い人 心もすさんで
街は 冬枯

お願いもっと歩きたいの
いずれは消える 雪の中に
振りむかないで貴方 二人の足跡を
せめて残して
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